GA4について
GA4は、アカウントにプロパティという小さな箱が入っている構造です。まぁこれは、とりあえずそんなものなんだと覚えていただければ大丈夫です。

指標とディメンション

GA4の代表的な指標について

GA4にはたくさんの指標がありますが、まずはレポートによく表示される基本的なものを押さえておけば大丈夫です。
- アクティブユーザー数 (Active Users)
- 一言でいうと:「訪れた人の数」(のべ人数ではなく、固有の人数)。
- イメージ:「ユニークユーザー数(UU数)」と同じようなものです。
- 注意点:
- これは「生身の人間」の数ではなく、「ブラウザ単位」でカウントするのが基本です。例えば、同じ人がパソコンとスマホの両方でアクセスした場合、基本的には「2ユーザー」とカウントされます。
- 「Googleシグナル」という機能を有効にしていると、Googleアカウントにログインしているユーザーなら、違う端末(パソコンとスマホなど)からのアクセスでも「1ユーザー」として計測しようと試みます。しかし、様々な理由で完全に正確な人数とは一致しない場合がある、ということは覚えておきましょう。
- 表示回数 (Views)
- 一言でいうと:ウェブサイトの「ページが見られた合計回数」。
- イメージ:以前のGoogleアナリティクスでいう「ページビュー数(PV数)」と同じです。
- ポイント:サイトの人気度や規模を示す基本的な指標です。同じ人が同じページを何度も見ても、その都度カウントされます。
- セッション数 (Sessions)
- 一言でいうと:ウェブサイトへの「訪問回数」。
- イメージ:ユーザーがサイトに来てから離脱するまでの一連の行動を「1セッション」と数えます。
- 例:
- Aさんが今日サイトを訪れて、いろいろなページを見て帰った → 1セッション
- Aさんが明日またサイトを訪れた → もう1セッション追加(合計2セッション)
- ポイント:1人のユーザー(アクティブユーザー)が複数回訪問すれば、セッション数はその分増えます。
- エンゲージメント率 (Engagement Rate)
- 一言でいうと:サイト訪問のうち、「意味のあった訪問(エンゲージメントセッション)の割合」。
- 「意味のあった訪問」の基準(どれか1つ満たせばOK):
- 10秒以上サイトを見ていた
- ページを2ページ以上見た
- コンバージョン(商品の購入や問い合わせ完了など)が発生した
- ポイント:
- この数値は高いほど良いとされます(ユーザーがサイトにしっかり関わっている証拠)。
- 以前の「直帰率」(すぐに帰ってしまった割合)の逆の考え方です。
- 「何%以上なら良い」という絶対的な基準はありません。他のページや、どんな経路(検索、広告など)で来たかで比較して、相対的に評価するのが一般的です。
- イベント数 (Event Count)
- 一言でいうと:サイト内で発生した、「計測しているすべてのユーザー行動の合計回数」。
- GA4の特徴:以前のアナリティクスでは「クリック」や「ファイルのダウンロード」など特定の行動を「イベント」として設定していましたが、GA4ではページを見た (page_view)、訪問が始まった (session_start) など、基本的な行動もすべて「イベント」としてカウントします。
- ポイント:
- 自分で設定したカスタムイベント(例:「特定のボタンをクリックした」「動画を再生した」など)も、このイベント数に含まれます。
- したがって、計測するイベントの種類が多いほど、イベント数は自然と多くなります。
GA4のディメンションについて

GA4におけるディメンションとは?
ディメンションとは、簡単に言うと 「データの切り口」 のことです。
ウェブサイトのアクセスデータを見る際、「ページビュー数が1000回だった」という数字(これを 指標 と言います)だけを見ても、「ふーん、1000回ね」という以上の情報は得られません。
ですが、この「1000回」というページビュー数を、ディメンションを使って「切り分ける」ことで、データに意味を持たせ、より深く分析できるようになります。
例えば、
- デバイス別 に切り分ければ、「PCからのページビューが800回、スマホからは200回だ」と分かります。
- ページ別 に切り分ければ、「トップページが500回、ブログ記事Aが300回、ブログ記事Bが200回だ」と分かります。
このように、ディメンションを使うことで、データを様々な視点から見て、比較したり分析したりすることが可能になります。
GA4でデータを見る主な目的は、「どんなユーザーが」「どこから来て」「どのページを見ているか」 を把握することです。この「どんなユーザー」「どこから」「どのページ」といった情報を見るために、ディメンションが非常に重要になります。
GA4でよく見る代表的なディメンション
GA4のレポートで頻繁に目にする代表的なディメンションをいくつかご紹介します。
- 年齢性別(User Age / Gender)
- サイトに訪れたユーザーのおおよその年齢層や性別が分かります。
- 注意点: このデータを見るには、GA4の設定で「Googleシグナル」という機能をオンにする必要があります。
- デバイスカテゴリー(Device Category)
- ユーザーがウェブサイトを閲覧する際に使用したデバイスの種類が分かります。(例: デスクトップ、モバイル、タブレット)
- デフォルトチャネルグループ(Default Channel Group)
- ユーザーがあなたのウェブサイトにどこから来たか、その流入元の大まかな分類が分かります。
- (例: 自然検索(Google検索などからの流入)、ダイレクト(URLを直接入力など)、リファラル(他のサイトからのリンク)、有料検索(広告)、ソーシャル(SNSから)など)
- さらに、特定のチャネルグループ内を掘り下げて、どの検索エンジンか、どのサイトからかといった詳しい情報を見ることも可能です。
- ページパスとスクリーンクラス(Page Path and Screen Class)
- ページパス: ウェブサイトのURLのうち、ドメイン名(例:
example.com
)より後ろの部分のことです。(例:/blog/article-title
)。これにより、「どのページが見られたか」が分かります。 - スクリーンクラス: これは主にアプリのためのディメンションです。ウェブサイトの分析が主な場合は、あまり気にしなくても大丈夫です。
- ページパス: ウェブサイトのURLのうち、ドメイン名(例:
- ランディングページ(Landing Page)
- ユーザーがウェブサイトに訪問した際に、そのセッションで最初に見たページ のことです。
- マーケティングで「ランディングページ(LP)」と言うと、広告の飛び先になる特定の縦長のページを指すことが多いですが、GA4の「ランディングページ」はあくまで「最初の入口となったページ」という意味です。
- トップページがランディングページになることもありますし、検索結果から直接ブログ記事に入った場合は、そのブログ記事がランディングページになります。
GA4のカスタム指標とカスタムディメンションについて


GA4のカスタム指標・カスタムディメンションとは?
GA4には、最初から用意されている「指標」(ページビュー数、イベント数など)と「ディメンション」(イベント名、デバイスカテゴリーなど)があります。
それに対して、カスタム指標とカスタムディメンションは、あなたのウェブサイトやアプリの独自の状況に合わせて、自分で新しく設定する指標とディメンションのことです。
簡単に言うと、
- カスタム指標: GA4が標準では数えてくれない、あなた独自の「数」 を計測するために設定します。
- カスタムディメンション: GA4が標準ではデータの「切り口」として持っていない、あなた独自の「データの分類や視点」 を追加するために設定します。
なぜカスタム指標・カスタムディメンションが必要なの?
GA4の標準機能だけでは、「特定のボタンが何回クリックされたか?」とか、「どのバナーからのクリックか?」といった、あなたのビジネスにとって非常に重要な、しかしGA4が最初から用意していない情報は取得できません。
そこで、カスタム指標とカスタムディメンションの出番です。
具体的な例で考えてみましょう(ボタンクリックの場合)

テキストにあったボタンクリックの例で考えてみます。
- 「ボタンがクリックされた回数」を知りたい場合 → カスタム指標
- GA4の標準の「イベント数」という指標は、ページの読み込み、スクロール、クリックなど、設定したすべてのイベントの合計数を数えてしまいます。
- あなたが知りたいのが「(特定の種類の)ボタンクリックだけが何回あったか」という正確な数である場合、「ボタンクリック数」といった独自のカスタム指標を設定すると便利です。これにより、他のイベントと混ざらず、ボタンクリックだけの数を正確に把握しやすくなります。
- 特に、「CTAクリック率 = CTAクリック数 ÷ 表示回数」のような計算をしたい場合に、カスタム指標として「CTAクリック数」を用意しておくと、計算が非常に楽になります。
- 「どのボタン」がクリックされたか知りたい場合 → カスタムディメンション
- 「ボタンがクリックされた」というイベントが発生しても、それだけではサイト内のどのボタンがクリックされたのか分かりません。(例えば、メインバナーのボタンか、記事下のボタンか、など)
- そこで、イベントと一緒に「このクリックはIDが’〇〇’のボタンだよ」という情報を送るように設定し、その情報を受け取るためのカスタムディメンション(例: ボタンID、click_idなど)を作成します。
- こうすることで、レポートで「cta_click(ボタンクリックイベント)というイベントは、カスタムディメンションの’button_id’で見ると、『main_banner』が50回、『side_banner』が20回クリックされているな」というように、イベントを「どのボタンか」という切り口で分析できるようになります
GA4のイベントについて



自動収集イベント

GA4の拡張規則機能イベント

GA4の推奨イベント(ユーザー自体が設定するイベント)

GA4のカスタムイベントについて(自分で好きな名前で作成できる)


GA4では、「イベント」はウェブサイトやアプリ上でのユーザー行動を記録する基本単位です。上記の図解で示したように、GA4のイベントは4種類に分類されます。
イベントの4種類とその特徴
1. 自動収集イベント
- 特徴: GA4が自動的に収集するイベント(設定不要)
- 主な例:
- first_visit: ユーザーが初めてサイトに訪問した時
- session_start: セッション開始時
- page_view: ページが表示された時
- user_engagement: 1秒以上ページにフォーカスされた時
2. 拡張計測機能イベント
- 特徴: GA4の拡張計測機能をONにすると収集されるイベント(ほぼ自動)
- 主な例:
- scroll: ページの90%までスクロールした時
- click: 外部リンクをクリックした時(内部リンクではない点に注意)
- view_search_results: サイト内検索結果の表示時
- file_download: PDFやExcelなどのファイルリンクをクリックした時
3. 推奨イベント
- 特徴: Googleが公式に推奨するイベント名を使用(自分で設定が必要)
- 主な例:
- generate_lead: 問い合わせフォーム送信時
- sign_up: 会員登録完了時
- login: ログイン時
- purchase: 商品購入時(コンバージョンとして登録済み)
4. カスタムイベント
- 特徴: 独自に名前をつけて設定するイベント(自分で設定が必要)
- 主な例:
- cta_view: バナーやボタンが表示された時
- cta_click: バナーやボタンがクリックされた時
- affiliate_click: アフィリエイトリンクがクリックされた時
- contact_form_arrival: 問い合わせフォームページに到達した時
イベント設定の実務ポイント
- 自動収集イベントと拡張計測機能イベントは、基本的に設定不要で利用できます
- 推奨イベントとカスタムイベントは、自分で設定が必要です
- 推奨イベントとカスタムイベントの違いは主に名前の付け方のみ:
- 推奨イベント: Google推奨の名前を使う(標準化されている)
- カスタムイベント: 自由に名前をつける(独自性がある)